港に船で輸送された鋼材は、かつては沖合で本船から艀に積み替えられた後、メーカーの指定河岸に回漕され、そこでトラックで需要家に輸送するか又は倉庫に陸揚げする方式を採っていました。
昭和30年代に入り日本経済の高度成長政策により産業構造の高度化が進められ、自動車、鉄道 車両、工作機械、家電機器などの生産が急速に拡大し、鋼材の需要が大幅に増加してきました。
このような鋼材の需要増に対応するため、港湾においては鋼材を取扱う専用埠頭を建設し、大型荷役機械を使用した輸送の合理化、近代化が急務となっていました。
名古屋港においては、鋼材荷役の合理化を図るため、名古屋港管理組合が中心となり名古屋商工会議所、名古屋港運協会等の協力を得て、昭和39年6月1日「名古屋港鉄鋼埠頭株式会社」が設立されました。
その後、名古屋港十一号地(現在の空見町)に岸壁、荷役機械、倉庫等を整備し、昭和40年10月1日に鉄鋼専用埠頭としての業務を開始しました。
以来、名古屋港唯一の公共的な鉄鋼専用埠頭として、中部圏のものづくり産業及び社会基盤施設の重要な基礎的資材である鋼材を不特定の利用者に安定的に供給し、地域経済の発展に寄与しています。
名古屋港鉄鋼埠頭(株) 代表取締役社長